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​最低限おさえたい発音 - その2 

  最低限おさえたい発音[1]: 似ている母音の区別 (2)

[3] [ə:r] と[a:r] の区別 - heard と hard

どちらもカタカナだと「アー」だが、「アー」とは違う音。

耳を集中させて聞けば単語レベルでの聞き分けは、そう難しいものではないし
自分でも発音できるだろう。

問題となりがちなのは、会話の中での聞き分けと
会話の中でとっさに 自分で発音しわけることだ。

●発音のコツ

[ə:r] 曖昧母音 + R。

曖昧母音 [ə] は舌も口も力をいれず脱力。


日本語で「ウ~エ~」「ウ~エ~」と繰り返して言って、
「ウ」と「エ」の移行する中間のような音。

この口の形で [r] を発音。舌を後ろ、のどの奥へ向けて丸める。


口の天井と舌の間の狭い空間に、息(声)が入り、こもって声が響く音。
声ははっきり出す。

[a:r] 口の開き方はやや大きめ。日本語の「あ」か、もう少し大きいというところ。
口の開き加減より大切なのは口の中だ。口の中の空間を広くする。

あくびをかみ殺そうとすると、あごが下がって特に奥のほうが広くなると思う。
その感じだ。

まず「あ」と、その口の形で発音して、すぐに [r] を発音。を後ろ、のどの
奥へ向けて丸める。

スペリングでは、子音の直後にar のつくケースが多い。

start, smart, part, park, chart 等々。

では heard, hard を聞き比べてマネしてみよう。

00:00 / 00:06


最初がheard、2番目が hard だ。次も同様。

00:00 / 00:07

では、単語のペアを幾つか聞こう。最初の語が [ə:r]、2番目が [a:r] だ。

00:00 / 00:20

[単語の意味・例文]

curve- carve

curve カーブ、曲線

He threw a curve (ball).

ビジネスで使うとしたら (予期せぬ変わった質問や発言で)不意を突く、戸惑わせる」の意味。字義通りに「カーブを投げる」の意味もあり。

carve (食事の時に)肉を切り分ける。

curb - carb

curb [動詞]抑制する、抑える、阻止する;歩道に縁石をつける

[名詞]抑制;歩道の縁石

carb 炭水化物(=carbohydrate)

low-carb diet 低炭水化物ダイエット

curb, carb の両方登場する "I need to curb my carb cravings."
炭水化物への強い欲求を抑制しないと。

firm -farm

firm [名詞]「会社、事務所」。法人格を持たぬ会社や号し会社のみを指す場合もあるが国によって違う。

[形容詞](態度や決心、信念などが)断固とした、こだわる;(物価、市場などが)堅調な,安定した

be firm on the price (価格交渉などで自分達の言い値を)ゆずらない、断固としてる

farm 農場

■聞き分け練習

ランダムに読上げるので聞き取ってみよう。
語尾の b、vの聞き分けが難しいかもしれない。

聞き分けに役立つ最大の違いは[b] は「ブチっ」と破裂した感じで短い。息は強い。[v] はにごってこすれる感じで [b]より長く聞こえる。

この違二つの違いはこの先のセクションでカバーするが
余裕があれば、この音声でついでにトライしてみよう。

00:00 / 00:46

 [答え]
 

firm, hard, curve, carb, heard, farm, farm,
firm, carve, hard, heard, firm, carb, hard




 [4] 似た母音のペアいろいろ

ここまでのパターンに含まれないが、ビジネス場面で日本人が混乱しがちなペアの音。聞く場合は文脈で分かることも多い。自分で発音するときはキチンと区別しよう。

ペアで聞き比べ、どこまで正確に書き出せるか試してみよう。

00:00 / 00:53

  [答え]


walk-work, foam-form, fast-first, cooperation-corporation
fund-fond, vary-very, adapt-adopt, want-won't

発音記号で比べると以下の通り。


walk [wɔ:k] - work [wə:rk]


foam [foum] - form [fɔ:rm]

foam は「泡」の意味。ビジネスで使うとしたら foam at the mouth =「カンカンに怒る」。日本語の「口から泡を吹く」の直訳に近い英語だが英語のほうにも字義通り「口から泡を吹く」の意味もある。

fast [fæst] - fitst [fə:rst]  「ファーストフード」はどっちでしょう。

cooperation [kouapəreiʃən] - corporation [kɔ:rpreiʃən]

「協力・協調」と「(企業などの)法人、会社」の違い。分かっちゃいるが、つい間違えがち。

fund [fʌnd] - fond [fand]

fund  [名詞] ファンド(投資信託会社);資金 [動詞]資金を提供する

fond は I'm fond of ~ の fond。


vary [veəri] - very [veri]   vary の名詞は variation となる。

adapt [ədæpt] - adopt [ədapt]

adapt  適応する、順応する、適合させる
adapt to new technologies 新規技術に順応する

adopt  (複数の選択肢から)選んで採用する; (習慣、態度などを)身に着ける;養子にする    adopt new technoloties  新規技術を採用する


want [want] - won't [wount]

  では、発音してみよう。

00:00 / 00:53

​ランダムに読み上げるので書き出してみよう。

00:00 / 01:02

 [答え]


work, first, adapt, want, fund, fast, very, cooperation,
foam, won't, vary, fond, corporation, walk, form, adopt

☆ want, adopt の[a] の発音は[ɔ]と表記されることもある。
そして実はこれは [ɔ:]と同じ音。(bald, called, baught, hall etc.)だ。

どちらも 日本語の「ア」の大きさに口をあけ、日本語の「オ」を発音する音。

つまり cot, caught は同じ音ということだ。


bot (ロボット、ボット)と bought も同じ音。
ネイティブが発音したものをいちおう聞いておく。

00:00 / 00:09

この件は(しばしば不毛な)いろいろな議論もあり、細かいことを言い始めると混乱を招きがちだ。

根本には、英語ネイティブは日本の学校で教わる「短母音」「長母音」という仕方で音の区別をしないということがある。(なので日本語を学んでいる英米人は「しゅじん」と「しゅーじん」、「おばさん」と「おばーさん」の区別に手こずる。)

fill の「短母音」を長くすると feel という「長母音」の単語になるのではない。full を伸ばせば fool になるのでもない。実際には長さではなく音自体が違う。


だが、この微妙な違いは大きな問題にはならないのでここでは追求しない。

なので、この音に関しては次の二点が学習ポイントとなる。


1.cot, caught の母音 ([a]もしくは[ɔ]/[ɔ:]) =どれも同じ音)が
日本語の「オ」ではないことを認識する。


2.似て明らかに異なる音 coat [kout]との区別を明確にする。

次のセクションに進む。「似ている子音の区別」

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